IPO: J-SOXはミニマム対応を
SOX発祥の地アメリカでも「SOX法は悪法だ」という否定的な見方が広まりつつあります。
J-SOX導入のお手伝いをさせていただき、コンサルタントとしては恩恵を受けておりますが、
経営者としての私の本音は否定派です。
理由は:
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- 過剰なコスト負担米国の上場企業がSOXに費やした費用は平均4億円以上。
日本でも10億円を越える費用を費やした企業もあります。企業にコスト負担を強いる政府規制として過剰といわざるを得ません。
- 過剰なコスト負担米国の上場企業がSOXに費やした費用は平均4億円以上。
- 規制としてフォーカスがぼけている虚偽の財務報告の多くは、誤謬ではなく不正。
しかも、従業員による不正ではなく、経営者による不正が多いのが実態です。
従業員レベルの業務プロセスを3点セットとして細かく文書化するよりも
経営者による確認書(宣誓書)だけでよかったのに・・・
いかにミニマム対応するか?
すでに金融商品取引法が施行され、政府実施基準までも決定してしまったので、
今となっては、「いかに低コスト・低工数負荷にとどめるか?」が問題です。
検討ポイントは:
- 外部リソースの費用をいかに押さえ込むか?
- 「3点セット」の文書化範囲を抑え、いかに「チェックリスト」で済ませるか?
- 整備・評価フェーズでの運用テストの工数をいかに押さえ込むか?
- 初年度だけでなく、毎年のSOX対応タスクの負荷をいかに抑えるか?
米国の上場企業が費やしたSOX費用4億円の内、1.6億円(≒40%)は外部リソース(コンサルや監査法人)のコストなので、ポイント1(外部リソースをいかに押さえ込むか)が最も重要となります。
例えば、コンサルタントに3点セットを書かせるよりは現場のマネージャに書かせるなどの策が必要です。ヒアリング工数を削減でき、伝言ゲームによる文書の品質低下も起こりにくいので。
本日は以上です。