プロジェクト管理: 「優秀な部下のサボり方」
こんにちは、経営コンサルタントの入野です。
本日の事業計画書の書き方は
プロジェクト管理について解説します。
事業計画はいいけど、本当に実行できますか?
ということを記述するセクションです。
ベンチャーのプロジェクト管理は
大企業の大規模プロジェクト管理とはすこし毛色が違います。
PMBOKやCMMなどのプロジェクト管理手法で定義されている、
「プロジェクト管理プロセス」をフルパッケージで導入してしまうケースです。
・進捗管理
・課題管理
・コスト管理
・品質管理
・組織/要員管理
・コミュニケーション管理
・リスク管理
・調達/購買管理
・外注管理
・変更管理
・構成管理
・文書管理
これらすべてのプロジェクト管理プロセスごとに
起票~報告~クローズなどの管理タスクを導入するのは
ベンチャーではあまりよくありません。
マズい理由は
- プロジェクトリーダー(≒社長)に管理工数の負荷がかかりすぎるから
- 意思決定のスピードが鈍るから
- メンバーがアイディアや自主性、モチベーションを失うから
進捗管理や課題管理はほぼ必須で導入するべきですが、
・ WBSは書かずに、カレンダーの日付で管理する
・ 課題管理表は紙に落さずに口頭で運用するのか
など
事業の性質やメンバーのレベルに合わせて、
メリハリの効いた管理レベルが重要です。
ベンチャーの考え方では
理論上目指すべき究極のプロジェクト管理の形は
PMBOKをフルパッケージですべて完璧に導入することではなく、
全く管理しないことなのです。
事業計画で一つだけ100%確実なことは
計画どおりには進まないこと。
ベンチャーの事業計画では
当初想定した仮説はハズれまくります。
2-3か月かけて書いた事業計画も
1か月後には必ず形骸化しはじめます。
そこで、重要なのは、
いかにスピーディーに事業計画を修正するか。
プロジェクト管理のスケジュールに
・1か月ごとに定期的に見直す
・リスクトリガーの発現時に見直す
など
「計画修正のタスク」が定義されているべきなのです。
優秀な人材はサボり方もウマいのです。
サボるといっても悪意があるわけではありませんが
典型的な例を挙げると:
-
- 失敗したことの報告がない
本当に完璧か、チャレンジしていないかのどちらかです。
- 失敗したことの報告がない
-
- 計画のせいにする
ある施策やタスクがうまくいかない原因は
計画段階の仮設が外れているからと主張するケース。ベンチャーの事業計画では仮説が外れるのは当たり前ですが、
仮説のポイントが少しぐらいハズれていても
振り抜いてポテンヒットを狙うのが重要です。計画のせいにするケースの多くは、
そもそも本人がタスクを本当に徹底的にやり抜いてないだけです。
- 計画のせいにする
-
- 相手のせいにする
よくあるケースは
「相手の反応がないので、タスクが遅れてます」
「相手のタスクが遅いので、タスクが遅れてます」
というケース。相手の反応や返球のスピードを考慮して期限に納めてはじめて、
「優秀」なのです。
- 相手のせいにする
-
- 「やり残したこと」や「やりたいこと」の報告がない
報告者の心理は自分の努力を認めてほしいという気持ちが強いので
「自分がどれだけやったか」を報告しがちですが、
進捗を把握する上で重要なのは
「何をやり残していて、あとどれ位かかるか」です。また、優秀な人材は「言われたこと」をこなすのは優秀ですが、
「言われてもないけど、自分がやってみたいこと」の相談がない場合は
挑戦をサボっているのです。
- 「やり残したこと」や「やりたいこと」の報告がない
上級者の社長は、
このような優秀な人材のサボり方を見抜き、
いかに本来の優秀さを活かすかをひたすら考えています。
本日は以上です。
入野
[include file=dl_businessplan_powerpoint.shtml]