英語プレゼン: モノリンガルでも資金調達する方法
こんにちは、経営コンサルタントの入野です。
先週、シリコンバレーのNASA Ames Research Centerに出張でした。
アメリカ宇宙ビジネスのビジネスプランコンテストの決勝に選ばれ、
決勝プレゼン大会を戦ってきました。
宇宙ビジネスというと、
日本ではまだ「夢を売る商売」の段階ですが、
アメリカでは「カネの飛び交うリアルビジネス」となりつつあります。
クライアント社長はモノリンガル。
私がプレゼンを代行するよりも、
カネを預かる責任者として本人がプレゼンすることが大切なので、
無茶振りを承知でご本人にやっていただきました。
プレゼン時間は6分。質疑応答は3分。
審査員はバリバリの投資家。
ITベンチャーへの投資で成功した個人資産ウン百億円のエンジェルや、
運用資産ウン千億円のプライベートエクイティの代表者
などがズラリ。
手厳しい質問が飛び交う過酷なプレゼン環境にもかかわらず、
クライアント社長は実力を発揮して
プレゼンは成功に終わりました。
無茶ぶりしておきながら、言うのもなんですが、
モノリンガルが英語でプレゼンするのは吐きそうになるほど胃が軋みます。
土壇場まで徹夜でリハーサルを重ねに重ねて
実力を発揮した社長に本当に頭の下がる思いでした。
本日は
「モノリンガルでも英語で資金調達プレゼンする方法」を解説します。
「1週間後、英語でプレゼンしてね」と無茶振りされて、
「1週間以内に英語をうまくなろう」と考えるのは無茶です。
日本で英語教育を受けた普通のビジネスマンが
母音の発音矯正などの英語力全体の底上げを狙うのは間違い。
でも、
ピアノは全く弾けないけど、「ネコ踏んじゃった」だけは
やたらとウマく弾けるって人、いますよね。
英語をうまくなろうとするよりも、
そのプレゼンだけをうまくなればいいのです。
自分の口から発する言葉だけ、
徹底的に練習すればいいのです。
早めにプレゼンの骨子を決めて、
英語のスクリプトを作成し、
しゃべれる人にお手本としてしゃべってもらって
そのまんまマネすることを徹底するのです。
if文やwhoやwhichなどの関係代名詞、yes,…but… など
複数の節の英語を多用する方がいますが、
十中八九伝わりません。
1つの文は長くても10ワード程度の短い文にするべきです。
短文にすべき理由の一つは、複数の節の文では、
ネイティブ並みのスピードや抑揚やリズムが必要だから。
モノリンガルはいくら練習しても、
ネイティブのスピードでしゃべることは現実的には難しいので
主節以外のif文などの副詞節を抑揚もなくダラダラとしゃべってしまうと、
なんだか意味がわからなくなるのです。
短文にすべきもう一つの理由は、噛むから。
本番のプレッシャーでは、かなりの高確率で噛みます。
一度噛んでしまうと、長い複数の節の文章は言いなおしても、
グダグダでよく分からないのです。
そして、短文にすべき最大の理由は
if文や関係代名詞が必要なメッセージは
英語であろうと、日本語であろうと、
そもそもメッセージとして弱いからです。
ifなどをゴチャゴチャと並べずに、
短文でシンプルに言うことを心がけましょう。
投資家の視点は、日本もシリコンバレーも同じです。
Why you? ≒ なぜあなたか?
経営者としての資質を品定めされているのであって、
英語力を審査されているのではありません。
英語がしゃべれるかどうかは、ほんの初歩的な部分です。
通訳がいれば解決する問題ですから。
- 絶対にあきらめないか
- どんな状況でも問題解決できる力があるか
- 人を惹きつけて引っ張るリーダーシップがあるか
などの
英語よりも、もっと根本的な、
「人としての根っこ」を品定めされています。
英語でプレゼンするビジネスシーンでは
言葉をもがれた完全アウェーの状態でも、
その人の本来持っている実力を発揮してひるまずに闘えるかどうか
が重要だと思います。
先月のセミナー【事業計画プレゼンの極意】。
日本実業出版社の編集長さんが取材にいらっしゃり、
雑誌『経営者会報』8月号で6ページほどの
「事業計画プレゼンの極意」という同タイトルの記事になっております。
来月号にも連載となります。
よかったら、読んでおいてください。
本日は以上です。