コーポレートベンチャー: イントレプレナーも感染する大企業病
こんにちは、経営コンサルタントの入野です。
本日は大企業病について解説します。
社内の人脈はあるが、社外の人脈がないので
調査やヒアリングの相手先、提携先を探せないことが
新規事業ではよくあります。
原因の一つは、
他社の人間に積極的に会って人脈を築くことをサボってきたこと。
いまだに大企業の人には紹介を避けたり、
プライベートでは自分の会社名さえも明かさない人もいます。
「会社の名前を利用されるのではないか?」
「大企業の資金を狙っているのではないか?」
という懸念があるからです。
しかし、実際には、単なる自意識過剰で、
大企業=大人数なので、希少価値もなく、
思うほどチヤホヤもされません。
大企業でも発注権限のない役職の人が多いのは
他社の人もよくわかっています。
大企業は資金の総額は多くても
リスクマネーとして投入できる金額は数億円程度なので、
VCに投資を受けたスタートアップ企業よりむしろ少ないぐらいです。
カネもないし、希少価値もないので
横柄な態度をとりようもなく、
謙虚な姿勢で地道に人脈を築いていくしかないのです。
また、
社外人脈を築くには
時間がかかることも注意が必要です。
どれだけ手間暇をかけて奉仕してきたかということが
人脈の深さになるからです。
長い時間を一緒に過ごしていないのに、
いきなり一緒に事業をしようにも
お見合いもデートしたことがないのに、
いきなり結婚するようなもので、
ほとんどうまくいきません。
しかも、利害関係のない時点で
おつきあいを始めないと、
いきなり利害関係の発生するプロジェクトを
一緒にしようとしても
お互いのホンネをぶつけ合うことが難しいです。
新規事業開発は自分の過去の人脈の集大成が問われる有事なので、
平時から積極的に社外人脈を築いておく必要があります。
大企業病患者は業界人としてのキャリアも長いはずなので、
意外なんですが、
知識やスキルが足りないことが問題となることがあります。
原因は、
丸投げ発注で、ハンズオンのスキルや知識の空洞化が起こっていたり、
20代に重要な仕事を任されていないわりには、
少し出世すると「マネジメント研修」にしか出席しなくなったり、
わざわざ調査プロジェクトを立ち上げないと業界調査をしないから。
もっと深刻な問題は、
知識やスキルが足りないこと自体よりも、
その知識やスキルをすばやく身につける勉強法が分からないことです。
新規事業である限りは
足りない知識やスキルがあるのは当たり前なので、
重要なのは、いかに素早く勉強するか。
日頃から、勉強慣れをしていないと
いざ新規事業の立ち上げで
スピードをもって勉強しなければならない時に
勉強の仕方が分からないので苦労します。
普段から貪欲に勉強するコツやクセをつけておくことが重要です。
大企業病の感染者は
自分の社内評価への悪影響を懸念して
社内で波風が立つような施策を打てないので
「コイツと話してもしょうがないんだな」と
外部の人間には評価されてしまいます。
一方で、上級者は、
社内で評価されていても、大きな意味がないという価値観で、
究極的にはクビになっても構わないと心の何処かで思っています。
上級者は、
社内に波風たてて、たとえ社内評価は下げても
リーダーならば、それを動かしてこそのリーダーであることを理解しています。
かく言う私も、大企業病にかかり、スキルが空洞化していました。
IT業界の端くれに十数年いながらも
10年以上プログラミングをしていないという恥ずかしい状態だったのです。
イマドキのアジャイルな事業開発には
プログラミングスキルも必要だと痛感し
10年ぶりにプログラミングを再開しました。
先月はハッカソンに恐る恐る参加し
なんとか優勝しましたが、
まだまだ技術的にキャッチアップすることが多く
プログラミングの師匠に教わりながらなんとかリハビリしています。
本日は以上です。
入野