コーポレートベンチャー: 1勝9敗のすごさ

コーポレートベンチャー: 1勝9敗のすごさ

こんにちは、入野です。

1000本以上の事業計画書のレビューや作成をしている経営コンサルタントです。

コーポレートベンチャーとは大企業などが企業内から新規事業の創出を行うことです。

初級者によくある間違い
■ 成功確率の期待値が極端

「新規事業やります!100%成功するやり方を教えてください!」
「新規事業は過去に2回失敗。今回もダメでしょ?」
という両極端な反応がよくあります。

このような過度な期待とその裏返しにある極端な懐疑論の原因は、
新規事業の成功確率の相場を知らないからです。

大手ベンチャーキャピタルの年間ディールフローを参考にすると:

電話や面談 12000社 100%
投資検討デューディリ 400社 100%
投資実行 90社 0.7%
IPO・Buyout 40社 0.3%

つまり、成功確率は1000分の3です。
「ベンチャーはセンミツの世界」と言われてきましたが、
統計的にも結構当たっているのです。

コーポレートベンチャーも独立系のベンチャーも同じような成功確率です。

「1勝9敗」という本が「ユニクロでさえ10%」というニュアンスで出版されていますが、
もし本当に1勝9敗ならば驚異的な高打率なのです。

中級者でもよくある間違い
■ 親会社への報告負担を嘆く

親会社が報告書や進捗会議を義務づけてしまうのは
仕方がないです。

そこは諦めましょう。

ベンチャーの一を聞いて十が分かる人が上司になることも少ないです。

そこも諦めましょう。

環境の悪さを嘆くよりも、
さっさと事業計画書や事業報告書を作成して、本業に集中した方が早いです。

そこはやりきりましょう。

上級者の使うテクニック
■ 撤退の決断が早い

プロジェクトは始めるより終わらせるほうが難しい。

立ち上げフェーズの累損よりも
撤退フェーズの遅れによる累損の方が大きいです。

既存事業で経常利益2億円を出すのは大変ですが、
新規事業で2億円の特損を出すのは簡単です。

コーポレートベンチャーのうまい企業は、
撤退ルールが明確で、
撤退/失敗した人材にレッテルを貼らずに、次にやることを与えて、
うまく撤退しています。

本日は以上です。

事業計画書や事業計画作成タスクのテンプレートを共有しておきます。

事業計画書のパワーポイントのテンプレート

事業計画書の作成タスクのWork Breakdown Structure