法人営業: ノミがゾウに営業する方法
こんにちは、経営コンサルタントの入野です。
「ウチみたいなベンチャーが大企業にどうやって営業すればいいですか?」
よくこんな質問をよくされます。
ベンチャー企業が大企業に営業する時のポイントをまとめ、
「法人営業の虎の巻」をダウンロード提供させていただきます。
大企業とベンチャー企業では名刺の意味も違います。
大企業の名刺は
会社名 | ≒ | 資本力と信用力の証明 |
部署 | ≒ | どんなビジネスをやっているか |
役職 | ≒ | どれだけエライか |
一方、ベンチャー企業の名刺では
会社名 | ≒ | どこそれ? |
部署 | ≒ | 部署ってホントに分化してるの? |
役職 | ≒ | 社長なんて誰でもなれるじゃん!? |
ベンチャー企業の名刺で工夫すべきポイントは
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- 会社名よりも個人名を覚えてもらうために顔写真を入れる
特にビジネスパーティで営業する場合は重要。
一日に何十人も会うと誰が誰だか分からなくなる。
後日待ち合わせで再会しても気づかないほど印象の薄い顔の人も多い。
- 会社名よりも個人名を覚えてもらうために顔写真を入れる
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- 部署だけでなく、商品・サービスのメニューや写真を入れる
今一番売りたい商品やサービスをアピールし、
もったいないので名刺の裏も有効活用してください。
- 部署だけでなく、商品・サービスのメニューや写真を入れる
- 役職だけでなく、個人としてどんなスキルや経験があるのか
「あなたは何ができるの?」
「あなたはどんな人?」
という質問にに端的に答えられるようになってください。
たかが、名刺。されど名刺。
ベンチャー企業にとっては希少な営業資源の一つなので、
コダワリを持ちましょう。
「神は細部に宿る」と念じましょう。
自らの商品・サービス・会社の素晴らしさを本人が信じていない営業担当者がたまにいます。
どんなにヒットした素晴らしいものでも、
新規性≒新奇性の高い商品・サービス・会社の場合、
「そんなの売れないよ~」という周囲の反応はかならずあります。
初級者はそんな周囲の反応に心が折れてしまって、
大事な場面でコンプレックスがにじみ出てしまうのです。
大企業レベルのお客様はそんなコンプレックスを必ず察知します。
営業している本人さえも信じていないような商品・サービスは買わないのです
では、どうすればそのようなコンプレックスを克服できるかというと
SWOT分析の「弱み」を完全に無視すること。
なぜなら、ベンチャーに「弱み」があるのは当たり前だからです。
いまさらそんなことを気にしてもキリがないのです。
マーケティング上は圧倒的に「強み」しか意味がないのです。
「悪いところはどこ?」という質問を反芻する必要はなく、
「良いところはどこ?」という質問に対する答えを明確にお客様に伝えられるようにしましょう。
大企業の受付デスクは受付けないために存在します。
大企業の表玄関から入ろうとしても、確率は非常に低く、
ただでさえ営業リソースの限られたベンチャー企業にとっては得策ではありません。
ではどうするかというと、「裏口のドアを開けてくれる人」を紹介してもらうのです。
重要なのは:
- どんな人を紹介してほしいを知人に正確に伝えること
- 人脈の広いシニアな方に経営陣やアドバイザリーボード、メンターになってもらうこと
- いざという時に無理がきく程の恩を先に売っておくこと
- 紹介したくなるような魅力的な人間になること
Six Degrees of Separations(六次の隔たり)という考え方があります。
44×44×44×44×44×44=72億 > 地球の人口
44人の知り合いを持つ人間を6人介すと地球上の誰にでもつながるので、
「6人だけでビルゲイツにだって営業できる」という計算です。
実務上は3次のつながりが限界ですが、
それでも44×44×44=8万5千人に営業できる可能性があるのです。
KY(空気読めない)という言葉が流行るように、
営業マンであるかぎりはミーティングの空気を読む力は最低条件です。
しかし、ベンチャー企業が大企業へ営業に行っても、
ミーティングの空気はネガティブであることが90%以上。
ネガティブな空気を読むだけでは意味がありません。
空気を作るのです。
上級者はみずからの会社がノミのように小さい時でも
大企業のトップに営業をかけます。
理由は:
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- ミドルマネジメントの壁
どんなにいい提案であっても、ベンチャー企業からの提案を
社内稟議として上司に上げることをヒヨってしまう中間管理職が多いのです。
- ミドルマネジメントの壁
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- 取引口座のカベ
ベンチャー企業が大企業と取引をするには取引口座をつくること自体が大変です。企業信用調査を担当する部署が官僚的な組織の壁となります。
中間管理職では与信担当部署の社内規定などを飛び越えられない可能性があるのです。
- 取引口座のカベ
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- 提案の採算性
ベンチャー企業の提案の多くは大企業にとってはすぐに儲かる提案であることは少ないので、
「採算度外視!」と言いきって社内稟議を押し通せる権限のあるトップ経営陣でないと提案の多くは通らないのです。
- 提案の採算性
- トップ経営者にはベンチャーの尊さを分かっている方も多いから
特に社歴30年以下の大企業でも、その会社自体の創業時の経験や精神を持っている方が少なからずいらっしゃるのです。
先日、友人の結婚式に出席しました。
3つ星クラスのレストランでのウェディングでしたが、
料理もおいしかったのですが、
驚いたのはサービスマンの質の高さ。
特に、素晴らしかったのがチーフマネジャー。
サービスマンは10人以上いましたが、
誰がチーフであるかは顔を見れば一目で分かりました。
笑顔の作り方が尋常じゃないほど、自然でプロなのです。
本日は以上です。
入野