フェルミ推定の実務
こんにちは、経営コンサルタントの入野です。
本日はフェルミ推定について解説します。
フェルミ推定とは、
「東京にいるネズミの数はいくらか?」というように、
一見とらえどころのない数字を
論理的に概算する手法です。
コンサル会社の面接試験で使われることもありますが、
実務でも市場規模や売上高の計算などで使います。
事業計画書での位置づけ
- エグゼクティブサマリー
- 事業立ち上げの経緯
- マネジメントチーム
- 会社概要
- 経営理念・事業理念
- 商品・サービスの概要
- 儲けの仕組み
- 市場および競合の分析
- マーケティング/営業
- 立ち上げ戦術
- 成長戦略
- オペレーション計画
- 人事戦略
- 財務計画
- 資金調達
- 出口戦略
- リスク管理
- プロジェクト管理
よくあるのは、
一つの視点だけでロジックがきれいに通ったら
それが満足しまう間違いです。
例えば、
セグメント人口XX万人
x 購買率 XX%
x 単価XX万
= 市場規模1000億円です!
で終わってしまうケース。
因数分解のロジックとしては
きれいに分析はできています。
でも、
他の視点で因数分解すると
1000億円ではなく、
100億円と全く違った答えが出ることも
よくあります。
コンサル会社の面接では
論理的に仮説を立てられる地頭を試すだけですが、
実務では、仮説を検証しないといけないので、
複数の視点で因数分解して
矛盾に気づくことが必須です。
例えば、
「検索しても、
純資産3億円以上の顧客のデータは見つかりませんでした」
というケース。
しかし、
ネットにデータが転がっていないからといって、
簡単に論理の矛盾や飛躍を引き起こすのはダメです。
新規事業では、前例となるデータがない場合がほとんどで、
手間暇をかけても調べる価値のある課題を洗い出すのが
フェルミ推定タスクの一つの目的なので、
データが手に入りにくいからといって
安易にロジックを歪めないことも重要です。
データがなければ自社で調べるという努力をするべき時もあります。
「市場規模」という言葉に引っ張られると、
どうしても視点がマクロになりがちです。
上級者はミクロのレベルに立ち帰って
固有名詞レベルでどんな人が
なぜ買ってくれるのかを
徹底的に調べます。
ミクロな顧客の視点で見ると、
新たな分析の切り口が見つかったり、
既存のマクロ分析の大雑把さに気づくからです。
「市場」が買ってくれるのではなく、
「顧客」が買ってくれることをよく理解しているので、
マクロな視点とミクロな視点を常に往復して考えるのです。
本日は以上です。
入野